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2010年3月19日 (金)

アートをマスプロダクト化するためには?

明和電機は、「アートを大量生産する」という試みを続けています。これを自分で「マスプロ芸術」と呼んでいます。

主にオモチャ会社のキューブさんと一緒に商品の開発をしているんですが、今日、打ち合わせで、「どうして明和電機みたいな、アートをマスプロ化するアーティストが、もっと出てこないんだろう・・・」という話になりました。

少数のアートの量産ということでは、リトグラフ版画やブロンズ像のような方法で、芸術家は複製された芸術をむかしから作ってきました。しかし、20世紀に登場した工業技術によるマスプロダクトを利用して、大衆相手に商品を作った芸術家は、数が少ないのです。僕がぱっと思いつくのも、日本だと岡本太郎が東レと組んで作った「鯉のぼり」ぐらいです。

どうしてかな?と思ってることに、キューブのH氏が答えてくれました。

「芸術家のアートピースを複製して、オモチャとして大量生産しても、難解な芸術がミニチュアになっただけなので、大衆にとってはわけがわからない。それだと売れない。売れるものを作るには、芸術家さんも、大衆を相手にした大量生産というフィールドでもう一度、初めから創作できる人じゃないと難しい。でもそれは芸術家にとって、一番大事な”こだわり”を捨てなければいけない場合がある。多くの芸術家はそれができない。すると、ああ、それだったら、企業と組むのではなくて、芸術家として、一人でやってください、ということになる。」

なるほどー。

では、僕の場合、大量生産を作るとき、芸術家としてのこだわりを捨てているか?というと、まったくそんなことはない。オモチャというのは、興味深い世界で、「おもしろいかどうか」というのがすべての基準になっている。それはときに芸術家以上にアバンギャルドな部分があったりする。さらに、量産技術、消費者の目に耐えうるよう、ものすごく吟味したカタチや設計にしなかればならない。コストも考えて。

ひとことでいえば、芸術作品を作るより、はるかにシビアで、アバンギャルドな面がある。だから、こだわりを捨てるのではなく、「あなたのこだわりの本質はなんですか?それはオモチャに落とし込めるほど、強いものですか?」を逆に問われる。これが面白いし、やりがいがあるのだ。

これはもしかしたら、芸術というよりは、「工芸」に近いかもしれない。明和電機のオモチャは、電気やプラスチックを使ってるから今風だけど、その制作プロセスは、民芸や工芸にちかい、とてもクラッシクな作業じゃないかな?と僕は思うときがある。

自分の芸術をオモチャにおとしこんで、大量生産・流通させたい!!と思ってるみなさん。ぜひぜひ、自分の作品を研ぎ澄まし、純粋な「おもしろエッセンス」にして、オモチャ業界の門をたたいてみてください。いつでも、オモチャメーカーは、「おもしろエッセンス」を待っていますよ!
















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コメント

社長の芸術の目標が他の人との共感であれば、マスプロダクト化する意味があるのだと思います。

ミュージシャンの件と同じですよ。

自己主張が必ずしも共感を呼ぶとは限りませんから。

私はそう思います。

そこはアーティストとデザイナーの大きな違いだと思います。

デザイナーもアーティストの一部分ですが。

以前『いよいよ 本日。オフたま東京2009 』のブログで社長がおっしゃっていらっしゃったお話が今回のお話にちょっと繋がるように思います。


「社長と道具」を消費者が鑑賞する→アート
「消費者が消費者の所有物にして楽しむ」→商品


アートと商品のちがい…私は『アーティストさん目線重視(伝えたいことに重きを置いている)』と『お客様目線重視(消費者が求めているものに重きを置いている)』の違い(真逆の目線)だと思っているので…


『自分の伝えたいことが強すぎて消費者の目線に立てない』というのが、キューブの社長さんがおっしゃる『こだわり』なのでは?!…。
と感じます。


漫画家さんやミュージシャンさんは自分の伝えたいことを『いかに商品にできるか』を意識して作っていらっしゃるように思うので、オタマトーンもそのような感じで成功していらっしゃる…ですよね。

はじめまして。
DENS CRAFTの伝と申します。
犬のフィギュアを創っているものです。
自分はアートを作っているつもりはないのですが、今までにはないものをという気持ちで作品作りをしています。
自家複製で出来るだけお客さんに会って販売するというスタンスで、
作品作りをしてきました。例外的に限られたショップでの販売も行ってきましたが、偶然見つけた明和電気さんの上の発言に勇気付けられ、キューブさんに先ほど作品を見て欲しい旨のメールを差し上げました。
自分の作品の持ち味がキューブさんの商品のラインアップに共通点が感じられたので、期待をしたいと思います。
随分古い記事ですので、ご覧いただけるのかは不安ですが、投稿させていただきます。DENS CRAFT Web Site
http://www.denscraft.jp/
Youtube
http://www.youtube.com/user/denscraft

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